2018年10月5日金曜日

エクステリアのひみつ

こんにちは。古橋です。

突然ですが「まんがでよくわかるシリーズ」という小学生向けの学習まんがはご存知ですか?

40年以上の歴史を持つ学研の本なので、50歳以下の方は小学校でご覧になったことがあるかもしれません。

実は次回のテーマが「エクステリア」ということで、LIXILさんからその本の内容について監修のご依頼を頂き、数ヶ月前から作業を進めていたのですが、この度めでたく完成致しました!



この本はLIXILさんから全国の小学校等20,000校、公立図書館に約3,100館、児童館などに3,000館に無料で寄贈されました。

残念がら非売品ということで書店での購入は出来ませんがネット上で読む事が出来ます。

https://kids.gakken.co.jp/himitsu/143/

内容は主人公のワカバ(小学6年の女の子)が一人暮らしのおばあちゃんの為に、エクステリアのリフォームをプロに依頼するというものです。

目次はこんな感じになっています。



そこで登場する「エクステリアプランナー 大橋」(^_^;)




ワカバにエクステリアプランナーの仕事を説明しながら、しっかりE&Gアカデミーの紹介もしています。^_^



業界の皆様、そのご家族の皆様に是非御覧頂きたい一冊となっております!!!


2018年9月21日金曜日

エクステリアテンプレート販売中です!

こんにちは!
ブログの更新も久しぶりになってしまいましたが、変わりなく元気に営業中です☆


最近、続けてテンプレートのお問い合わせを頂いておりましたが、「古いブログの記事で拝見したのですが・・」「今もお取り扱いされていますでしょうか?」と 皆様から遠慮がちにお問い合わせを頂いておりました。

情報が古いせいで皆様にを使わせてしまい、申し訳ありません・・・!
そして古い記事なのに見つけてくださいまして、ありがとうございます。


テンプレートは引き続き、お取り扱い中です!

ご注文希望の方は、弊社のアドレスまで「テンプレート希望」と記載いただきメールをいただけますでしょうか。

こちらからメールで、ご希望枚数、ご住所等々書き込み頂きましてご返信頂くためのフォームを送らせていただいております。ご購入の枚数は1枚からもちろん可能です。ご入金確認後、すぐに発送させて頂いておりますので、どうぞお気軽にご連絡下さい。


価格は1枚 3,100円(税込)で、送料は枚数に関わらず全国一律500円となっております。お支払い方法は銀行振込でお願いしております。

どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。

メールアドレスは下記までお願い致します。
exp@m78.com


テンプレートについての使用方法や説明など、こちらのブログの記事も是非参考にして下さい♪

■テンプレート始めました(2012.5)
 http://explanning.blogspot.com/2012/05/blog-post_31.html

■古橋宜昌プロデュース・エクステリア専用テンプレート(2012.7)
 http://explanning.blogspot.com/2012/07/blog-post_10.html

■追加販売決定!(2013.8)
 http://explanning.blogspot.com/2013/08/blog-post_27.html

■完売御礼!そして・・(2012.7)
http://explanning.blogspot.com/2012/07/blog-post_30.html

2018年7月18日水曜日

ブロック塾:擁壁上のブロック積み

こんにちは。古橋です。

ブロック塾 第13回目は擁壁上のブロック積みについてです。

日本建築学会規準によりますと、擁壁上のブロック積みについては次の様な規定があります。

擁壁の高さ【A】が1m以上ある場合は、ブロック塀の高さ【B】は1.2m以下。
擁壁の高さ【A】が1m未満の場合は、ブロック塀の高さ【B】は2.2m−A以下。
いずれも擁壁の中に鉄筋の直径の40倍(最低でも40cm)縦筋を定着すること。

となっています。

仮に既存の擁壁が2mあった場合、その上のブロック塀は1.2mまで積めるので、下部地盤からみると3.2mになってしまいますが問題ないのでしょうか?

とても不安です。ここからは私の個人的な考えになりますのでご了承下さい。

イラストのような重力式擁壁であればその重量と厚みからブロックの基礎としてみなしても良い気がしますが、最近の擁壁はRC造が殆どです。

RC(鉄筋コンクリート)は計算により必要最低限の断面(大きさ)で作れるので、経済的とも言われていますが、逆に言うとギリギリの断面形状なのです。

そのRC擁壁の上に40cm鉄筋を定着させ、規定の範囲だからと言ってブロックを増し積みする事はとても危険です。

擁壁の設計段階からブロック積みを構造計算に入れて基礎断面や配筋を計算されている場合はもちろん問題ありません。それでも低い地盤からの高さは2.2m以下とし、縦筋は擁壁と連続していることが絶対条件になると私は考えます。

しかし、実際の現場で擁壁の上にブロック塀を設置することは稀で、むしろフェンスを取り付けるための基礎としてブロックを1段設置するケースの方が圧倒的に多いと思います。

この場合は縦筋を擁壁の中に40cmも入れることは現実的ではないので、ホールインアンカー又はケミカルアンカーを用いて縦筋が引き抜けないよう設置し、更にブロックの橫筋にフック又はL形に折り曲げ定着させれば問題はないと思います。

ここで重要なのはただの差し筋(穴に鉄筋を刺すだけ)ではなく、力学的又は化学的にしっかりと固定することです。ホールインアンカーやケミカルアンカーは公共工事でも採用されているものなので、正しく施工すれば引き抜ける心配はありません。

そして、そこに設置するフェンス(正しくは転落防止柵)の高さは上部地盤から1.1m以上とし、人が寄りかかっても変形しないものを使わなくてはいけません。

よく見かけるきゃしゃなメッシュフェンスや縦格子フェンスは転落防止柵には認められないので注意して下さい。


それでも、擁壁の上にある程度の高さのブロック塀を施工しなくてはならない場合は、下記の様な計画をオススメします。

擁壁とは別に上部地盤に改めてブロックの基礎を造れは、従来の規定に準じてブロック塀を設置することが出来ます。

擁壁天端とブロック塀の間に植栽ができれば更に景観的にも良いと思います。

2018年7月14日土曜日

ブロック塾:控え壁の配筋

こんにちは。古橋です。

ブロック塾も12回目となります。今回は控え壁の配筋についてです。

控壁を設置するルールについては既に解説をしましたが、ただ壁があれば良いという事ではありません。

重要なのは主壁と控え壁が構造的に一体になっている必要があります。





上の図はブロックの中の鉄筋を表しています。

主壁の縦筋と橫筋を黒、控壁の鉄筋を赤く表示してあります。

控え壁の主筋は縦筋にフックで鍵掛け、逆側は直角に曲げ25cm以上縦筋と定着させます。

橫筋は両端をフックにします。

また、主壁と控え壁の接合部はこの様になります。




主壁のフェイスシャルをベビーサンダー等で切断し、控壁と一体になるよう加工します。

控え壁の厚さは主壁以上とし、空洞部には全てモルタルを充填しなくてはいけません。



今後、悪質業者が既存のブロックを一切加工せず、その横に控え壁だけを施工して、高額な請求をしてくるケースもあるのではないかと心配です。

後から控え壁を追加する場合は、既存ブロックの縦筋を露出させ、そこに控え壁の鉄筋を鍵掛けすることが重要なのです。

2018年7月13日金曜日

ブロック塾:横筋について

こんにちは。古橋です。

ブロック塾11回目は横筋についてです。


橫筋を入れる間隔は80cm以下になるよう決められています。

ブロックの高さが20cmなので最低でも4段に1本は入れなくてはいけません。


もし、ブロックの上にフェンスを立てるなど、この橫筋を連続させて設置することが困難な場合は、一段下にも連続させた橫筋を入れる必要があります。

その橫筋の端部は鉄筋の直径の25倍以上L形に折り曲げ縦筋と定着させなくてはいけません。

縦筋をつなぎ足すことは溶接以外原則禁止されていますが、橫筋の場合は鉄筋の直径の40倍以上重ねれば、現場でつなぐことが出来ます。

又、ブロックをクランク状に配置する場合は橫筋を縦筋に対してZ状に通す事で、より強度が強くなります。


これは法的な規制ではなく、現場の気配りとして必要な事です。

2018年7月12日木曜日

ブロック塾:縦筋について

こんにちは。古橋です。

ブロック塾第10回目は縦筋について詳しく解説をする事にします。

縦筋の配置間隔は80cm以下となっています。(赤く表示した鉄筋が縦筋です)


ブロック1本の横の長さが40cmですから、ブロック2本に1箇所の間隔で縦筋が入ります。

この縦筋の太さは直径10mm以上となります。

但し、控壁がなく1 . 2mを超え1 .  6m以下の壁(門袖壁など)の縦筋は40cm間隔で入れるか、鉄筋の太さを13mmとして80cm間隔で入れなくてはいけません。

又、前回ご紹介した控壁の機能を持たせた門袖壁で、高さが1.6m以下の壁は従来どおり10mmの鉄筋を80cm間隔で配置することが出来ます。


この縦筋の先端は壁の一番上に配筋されている壁頂筋という横筋に確実に定着させることが強度上、最も重要となります。

そのために縦筋の端部を壁頂筋と平行に、鉄筋の直径の10倍(10d)以上曲げる【A】か、フック状に曲げ余長を鉄筋の直径の4倍(4d)以上伸ばさなければなりません。【B】

実際にはブロックの穴の中に入るように鉄筋をフック状に曲げるのは大変なので、L形に曲げる事が多いと思います。

しかし、端部の加工をせず切りっぱなしで終わらせること【C】や、縦筋を途中で繋ぐ【D】ことは絶対にしてはいけません。 (縦筋同士を溶接にて繋ぐことは認められています)



また、基礎の中の配筋についても注意して下さい。


縦筋をL字に曲げて、基礎主筋と配力筋の下側に入れること。

下地砕石からスペーサーを入れて「かぶり」を確保する事などがポイントです。

コンクリートの「かぶり」とは鉄筋端部からコンクリート表面までの距離の一番狭いところの寸法をいいます。


このかぶりが浅いと、そこにクラック(ひび割れ)が発生してしまいます。

するとそのクラックから毛細管現象で鉄筋のまわりまで水が侵入し、鉄筋にサビが発生します。


鉄筋が錆びると断面が細くなり、コンクリートの引張強度を補うという、鉄筋本来の役割を果たせなくなってしまいます。

ちなみにかぶりの最低寸法は部位によって異なります。

基礎のスラブ:60mm以上
基礎の立上り:40mm以上
ブロックの壁内:20mm以上

この違いは水に永く触れる可能性があるかどうかということです。

これらの事を十分理解して縦筋の設計、施工を行ってください。


2018年7月11日水曜日

ブロック塾:基準法に適合する袖壁パート3

こんにちは古橋です。ブロック塾9回目も建築基準法に適合する袖壁のデザインです。

今更ですがブロック塾をまとめてご覧になりたい場合は、右側のラベルにある「ブロック塾」をクリックして下さいね。

さて、今回はこの様なデザインを解説致します。


ちょっと複雑ですがこちらも建築基準法に適合しています。

【A】の壁は前回同様標準的な袖壁の高さ1.5mとします。

ポストの裏箱や、宅配ボックスを隠すためにアプローチ側に控え壁【B】を40、60、80cmを目安に設置します。

【A】の壁の長さが80cmを超える場合は控え壁【C】を【A】と同じ高さにするか、最低でも1.1mの高さで設置します。

もしその控え壁の先に【A】の壁が突出する場合、その長さは80cm以下として下さい。
もちろん突出させなくても大丈夫です。

【C】の壁(控え壁)を45度の角度で設置する場合は最低でも60cm突出させる必要があるので、主壁を道路境界より60cm以上セットバックさせれば問題ありません。

ちなみに45度の斜距離600mmを確保する為のセットバックの最低寸法は次の様に計算します。

600 ✕ Sin45° = 424.3mm(小数点以下第二位四捨五入)

三角関数が苦手という方もいると思いますが、例えばiPhoneの電卓を出し横向きにすると関数電卓に変わるので45と入力した後、「sin」と書かれたボタンを押し、出た数値をそのままにして「✕(かける)600」と打つと424.2640687119285と出ます。

つまり、道路境界線から主壁を430mm以上セットバックさせれば、45度で長さ600mmの控え壁を入れる事が出来るということです。

又、【C】と【D】の壁は高さが1.1mなので控壁が必要ない為、壁の長さに制限はありません。

いかがでしょうか?このように学会基準や基準法をベースにした上で、ボリューム感とリズム感のある袖壁のデザインを心がける様にして下さい。

2018年7月10日火曜日

ブロック塾:基準法に適合する袖壁パート2

こんにちは古橋です。ブロック塾第8回目は前回に続き建築基準法に適合する袖壁のデザイン パート2です。

今回は具体的な寸法を提示しながら解説をしてみましょう。

まずひとつ目はこのようなデザインです。


壁の形が分かりやすい様に足元の植栽は描いていませんが、実際には下草など植えて下さい。

ポストが付く【A】の壁は高さを1.5mとします。建築基準法では基礎の形状に関係なく1.2mを超えた場合は控壁を付けなくていけないのでアプローチ側に控え壁【B】を設置します。
この壁は【A】の壁の後ろに40cm以上突出させないといけないのですが、80cm以上突出させると、そちらも主壁となり更に控え壁が必要となりますので注意してください。

次に【C】の壁ですが主壁【A】より40cm下げていますが控壁として認められるので、【A】の壁は最大3.4mまで延長させる事が可能です。もちろん【C】の壁は長さが40cm以上必要です。

更に【D】の壁は高さが1.3mなので【C】の壁を控え壁とし、片側80cm以内で突出させています。

つまり、【C】の壁は【A】と【D】の壁の共通の控え壁となっているのです。

この様な組み合わせ方はどこの基準や規準にも書いていませんが、大切なのは控え壁の機能を確保しつつ、デザイン性を高めるアレンジ力だと思うのです。

(もう少し続く)

2018年7月9日月曜日

ブロック塾:基準法に適合する袖壁パート1

こんにちは。古橋です。

大変長らくお待たせを致しました。ブロック塾第7回目は建築基準法に適合する袖壁のデザイン パート1です。

今までは「建築基準法」及び「日本建築学会規準」のやや硬い解説になりましたが、今回はその基準を踏まえて袖壁をどのようにデザインしたら良いかという実務的なお話しです。

まずは良く見られるこのような袖壁です。


インターホンのカメラの高さはG.L.+1.3mが標準なので、壁の高さは1.5m程度になります。学会規準だとL形または逆T形の基礎であれば控え壁の要らない高さとなりますが、建築基準法では控え壁を付けるよう指導されることになります。更にポストの裏箱も横から丸見えになってしまうので、あまり美しくありません。

そこで私がお薦めするのはこんなデザインです。


控え壁をアプローチ側の後ろに設置する事で建築基準法に適合させる事が出来るばかりでなく、ポストの裏箱も隠せる訳です。
但し、正面のポストが付いている壁の長さは80cm以下にしなくてはなりません。(控え壁から突出した壁の長さは80cm以下ルール

正面の壁が80cmと狭いのでポストと表札だけとし、側面にインターホンを設置することで控え壁感を緩和することができます。

更に今注目されている宅配BOXをポストの裏箱の下に設置すれば完璧でしょう。

もし、正面の壁を80cm以上にしたい場合は、控え壁を2箇所に設置しなくてはなりません。
その時はこんなデザインにしましょう。


凹凸感が分かりやすよう壁を付けています
こうすればポストの付いている壁の長さは最大3.4mまで伸ばす事が出来ます!
控え壁は主壁の片側に設ける必要はなく、前後に設置することも可能なのです。

(次回に続く)


2018年7月8日日曜日

ブロック塾:控え壁の設置基準

こんにちは。古橋です。

ブロック塾の6回目は控え壁の設置基準についてです。

テレビや新聞でも取り上げられているお馴染みのこの絵を使って解説をして参ります。



まずは控え壁の設置間隔【A】についてです。
控え壁と控え壁の間は最大で3.4mとなっています。
しかし、実際には3.2mで設置される事が多いのです。
その理由はブロックの縦目地に控え壁を設置すると配筋がしやすい事と、ブロックの横寸法が40cm(目地中心の寸法)なので、ブロック8本毎に控え壁を設置するからです。

ここで注意したいのは壁の長さが3.4m以下であれば控え壁を設置しなくても良い!
という事ではありません。控え壁は高さが1.2m(学会規準では1.6m)を超えたら、壁の長さに関係なく控え壁を設置する必要があるということです。

次に控え壁の長さ【B】についてです。
控え壁の長さは片側に設置する場合は40cm以上(ブロック1本分)と定められています。

又、あまり実用的ではありませんが、両側に設置する場合は、片側20cmずつとする事も可能です。


いずれも主壁に対して直角(90°)に設置をする事が基本となりますが、左右に45°の範囲であれば斜めに設置する事も可能です。


但し、この場合控え壁の長さは60cm以上となりますのでご注意下さい。

控え壁を45°に付ける事もあまり無いと思いますが、門袖のデザインとして活かすと意外と効果的です。

次に【C】の寸法です。
控え壁の高さは主壁と同じか最大でブロック2段まで下げる事が可能です。
寸法で言うと40cmです。基準では500mm以内とされていますが、こちらもブロックの寸法を考えると40cmまでとなります。ブロック塀に水平荷重(地震や風、衝撃荷重)が掛かった場合、モーメントで考えると壁の根元に最も負荷が掛かり、壁の上部には負荷があまり掛からないからだと思います。

最後に【D】の寸法です。
Dは最後の控え壁から突出した主壁の長さという事です。
こちらは80cm以内と決められています。
この部分が80cmを超えた場合は更に控え壁を設置する必要が生じますので注意して下さい。



この様に控え壁の設置基準についてはかなり細かく決められているのです。

では、これらの厳しいルールに則ってポストやインターホン、表札などを設置する袖壁はどのようにデザインしたら良いのでしょか?

次回はその辺りについて解説をしたいと思います。


2018年6月29日金曜日

ブロック塾:控壁が必要な壁の高さ

こんにちは。古橋です。

ブロック塾5回目は控壁が必要な壁の高さについてです。

既に第1回のブロック塾でお話ししたように、ブロック積みには「建築基準法」と「日本建築学会のコンクリートブロック塀設計規準」があります。

今回のテーマである控壁に関して、両者の考え方が違うのでまずはその辺りを解説する事にしましょう。

ブロック塀の基礎が3種類ある事は既にお話をしました。

建築基準法ではこの基礎の形状に関係なく、ブロック塀の高さが1.2mを超えた場合は控壁を設置しなくてはいけません。(逆に言うと1.2m以下であれば控壁を設置する必要はありません。)

ブロック単体の高さは目地を含めて20cmですから6段までO.K.って感じですね。

建築基準法の控え壁が必要ない壁のイメージ

一方、日本建築学会の規準ではI形基礎は同じく1.2mを超えた場合は控壁を設置しなくてはいけませんが、基礎の形状が逆T形かL形の基礎であれば1.6mを超えた場合に控壁を設置することとなっています。(わかりやすく言うと基礎がちゃんとしていれば1.6mまで控え壁は不要ということですね)

学会基準の控え壁が必要ない壁のイメージ

I形基礎はブロック6段、逆T形とL形基礎はブロック8段まで控え壁不要って感じですね。


ですが・・・・・ブロックの高さの測り方で解説した様に、高さは地盤からの高さで基礎の立ち上がりも含むことと、基礎はG.L.から5cm程度立ち上げる事ルールを遵守するとなると、それぞれブロックの段数は1段少なくしないといけないことになるんです。




この事って意外と見落としがちではないでしょうか?

以上の事を踏まえ、日本建築学会規準でインターホンを付ける門袖壁の高さを1.5m、基礎の立ち上がりを型枠ブロックで基礎を施工する場合はこの様な納まりになるのです。



2018年6月26日火曜日

ブロック塾:RC基礎に代わるもの

こんにちは。古橋です。

ブロック塾4回目は基礎の造り方です。

前回の「ブロックの基礎について」で描いた基礎のイラストは鉄筋コンクリート造でした。鉄筋コンクリートはRC(Reinforced Concrete 鉄筋で補強したコンクリート)と呼びます。

建築や土木業界でRCの基礎はさほど特殊なものではありませんが、エクステリア業界ではあまり普及していません。その理由は型枠の組み立て、解体、コンクリートの養生に時間とコストが掛かってしまうからです。

コストについては、建築計画段階で適正なエクステリア予算が確保されておらず、少しでも安くして欲しいという施主や建築担当者からの要望があるのが大きな理由です。

工期短縮も、引っ越しの日にちに間に合わせて欲しいといった施主や建築側の理由が挙げられます。

しかし、これらの理由で基礎の立上り部分(根入れ部分)を普通ブロックで代用することは危険です。

そこでお勧めしたいのが型枠ブロックです!




外観は普通ブロックと変わりません(化粧タイプもあります)が、構造が大きく違っていて二枚のフェイスシャルを最小限のウエブで繋いだだけのものです。

このブロックが型枠代わりになり、内部の空洞部分に鉄筋とコンクリートを流し込み、RCと同等の強度を有する壁を内部に構築することが出来ます。

もちろんフーチングの大きさ、配筋量、ハンチ筋補強、水抜き孔等を的確に施工すれば擁壁(土留め)として使用することも出来ます。

この型枠ブロックを基礎の立ち上がり部分に使用すれば、RCと比較してローコストと短工期を実現する事が出来るのです。


赤い部分がCP型枠ブロックのフェイスシェルです

ちなみに型枠ブロックの厚みは外寸で150mm以上とやや厚めですが、その理由は内部のコンクリートの厚みのみが構造物として認められるからです。

この工法は建築基準法でも日本建築学会基準でも認められているので、RCの布基礎を提案できない場合は型枠ブロックを採用してみて下さい。

2018年6月23日土曜日

ブロック塾:ブロックの基礎について

こんにちは。古橋です。

ブロック塾3回目のテーマは「ブロックの基礎」です。

基礎は土の中に埋まってしまうのでなかなか見ることができませんが、見えないからこそしっかり造らないといけないところです。

建築基準法では現在3種類の基礎が認められておりますので、順に見ていく事にしましょう。

【 I 形基礎】

まず最初はI形基礎(あいがたきそ)です。


通常は断面図で説明されていますが、分かりにくいと思いますので立体的に描いてみました。

また、断面図だと鉄筋の配置がよくわからないので、鉄筋もむき出しにしてみました。
鉄筋同士の交差が分かりやすいように赤黒で表示しています。

頑張って描いてみましたが、この基礎の形は不安定なので私が知る限り、ほとんど採用されておりません。

【逆T形基礎】

2つ目は逆T形基礎(ぎゃくてぃーがたきそ)です。


立ち上がり部分の下にフーチング(底版ともいいます)があり、もっとも安定した理想的な基礎です。このフーチングの出っ張りは片側13cm(両側で26cm)以上必要となります。

【L形基礎】

最後はL形基礎(えるがたきそ)です。


道路境界や隣地境界付近にブロックを積む場合、逆T形基礎にすると境界線より壁が13cm以上離れてしまうので、それが嫌な場合はL形基礎にします。

L 形基礎は地震の揺れ方向によって強い側と弱い側が出来てしまいます。
例えば壁を身体に例えるとフーチング部分がつま先になります。背中から押されてもつま先で倒れないように踏ん張ることが出来ますが、正面から押されると踏ん張ることができず後ずさりしてしまいますよね。壁は後ずさり出来ないのでそのまま倒れてしまうのです。

このような事が起こらないようL形基礎のフーチングは逆T形基礎のフーチングよりも大きく40cm以上とすることが重要です。

【共通事項】

そしてすべての基礎に共通して言えることは、

・立ち上がり部分はG.L.(土の高さ)よりも5cm程度高くし、コンクリートブロックが直接土に触れないようにすること

・立ち上がり部分の厚さはブロックの厚さと同じかそれ以上とすること

・フーチングの厚みは15cm以上とすること

・基礎の根入れは35cm以上とすること

などです。

2018年6月22日金曜日

ブロック塾:塀の高さの測り方

こんにちは。古橋です。

ブロック塾第2回はブロック塀の高さの測り方です。

ブロック塀の高さは条件付きではありますが最大2.2mまでです。

したがって控え壁があっても2.2mを超えるブロック塀は基本的に造ることができません。

「2.2mを超える」とは「2.2mまではO.K.だけど2.3mはN.G.」ということです。

では、ブロック塀の高さはどの様に測るのでしょうか?


【ケース1】塀を挟んで地盤に高低差がある場合

お客様の土地の高さ(以下G.L.)と隣地、または道路のG.L.との間に段差がある場合は、低い方のG.L.からの高さが塀の高さとなります。

【ケース2】道路にJIS規格によるU字形側溝がある場合

ブロック塀の足元にJIS規格に適合したU字形側溝がある場合は、側溝の蓋の天端からの高さが塀の高さとなります。


【ケース3】道路に簡易なU字形側溝がある場合

ブロック塀の足元に現地で造られた様な簡易なU字形側溝がある場合は、側溝の底からの高さが塀の高さとなります。

ブロックの高さは基礎や擁壁を含まないと勘違いしている方が多いのでご注意下さい。

ちなみにブロック塀の高さについては宮城県沖地震等の被害を踏まえて、昭和56年6月1日に建築基準法施行令が大幅に改正され3mから2.2mに、石積みやレンガ積みなど鉄筋などで補強できない壁(組積造)は2mから1.2mに変更されました。

2018年6月21日木曜日

ブロック塾:はじめに

こんにちは。古橋です。

先日このブログで「グロック塀のお勉強」というタイトルで書き込みをしたところ、通常の3倍以上の皆さんに見て頂くことが出来ました。

それだけ今、ブロック塀に対して設計、施工をする人たち以上に一般の方の関心も高くなっている事だと思います。


エクステリアの設計者として、そして学校やセミナーの講師として、今私に何が出来るのかを考えた時、今一度ブロック塀の基本について、直接お会いできない方たちも含めて、正しいブロック塀のルールを分かりやすくお伝えするべきではないかと考えました。

もちろん既に建築基準法をはじめ各団体、協会から様々な指針が出ていますが、専門用語や、法律用語も多く分かりにくい部分もあります。

このブログでは出来るだけ難しい表現は避け、日本一分かりやすいマニュアルを目指します。使用する図も可能な限りiPadを使って手描きでいきます!

何回のシリーズになるか分かりませんが、「ブロック塾」見て頂ければ幸いです。

【はじめに】

まずはじめにお話しておかなくてはいけないのは現在、ブロック塀に関する基準が大きく分けて2つあるという事です。

1つ目は泣く子も黙る「建築基準法」です。これはご存知の通り建築に関わる最低限の基準を定めている法律です。

2つ目は一般にあまり知られていないかもしれませんが社団法人日本建築学会が定めている「コンクリートブロック塀設計規準」です。こちらは、ブロック塀をつくるために特化した規準で、建築基準法より細かくルールが決められています。

ちょっと呼び名が長いので建築基準法を「基準法」、コンクリートブロック塀設計規準を「学会規準」として呼ばせて頂きます。

例えば基準法ではブロック塀は高さ2mまで厚さ10cmで良しとされていますが、学会規準では鉄筋のかぶり(かぶりについては後日解説します)が確保出来ないので12cmを推奨しているように、一般的には学会規準の方が実務レベルに近いと私は思っています。

しかし、問題は控え壁の設置基準(これも後日解説します)が基準法と学会規準で違うので、プロの方でもきちんと説明できないことがあります。

簡単に申し上げると、確認申請や完了検査など役所の検査がある場合は基準法のルールに合わせ、役所の検査等がない場合は学会規準に合わせて設計、施工を行えば良い。というのが私の考えです。

前記した通り、ブロックの厚みに関しては学会規準のほうが厳しい基準ですが、控壁の基準については基準法の方が厳しい内容です。一番間違いないのは両者の基準を比較して、より安全側のルールを採用するというのは言うまでもありません。


このブログではできるだけ両方の基準を比較しながら書いていきますが、判断が難しいケースや、基準に明記されていない事、基準を更に進化させた考え方など、私の個人的な考え方も含まれると思いますので予めご了承下さい。また、内容に不的確な部分がありましたらご指摘頂ければ随時訂正させて頂きます。引き続き宜しくお願い致します。



2018年6月19日火曜日

ブロック塀のお勉強

こんにちは。古橋です。

今日も福岡で若いエクステリア設計者の皆さんの勉強会をしています。

大阪で痛ましい事故があったので、急遽予定になかったブロック塀について、プロとして知っておかなくてはいけない大切な事を話して来ました。


この図は朝のワイドショーでもすっかりお馴染みになりましたね。


ブロックの高さと土留め、配筋についても解説。


擁壁とブロック塀の納まりも大切!

お客様から既存のブロック塀が安全かどうか聞かれた時に、そのチェックポインも教えて来ました。


デザインも大切ですが、それ以上に建築基準法や日本建築学会基準を理解して、安全なブロック構造を設計することがもっと大切なのです。

業界に携わる者として「ブロック=危険」と思われるのは残念です。倒壊するブロックは正しい設計、施工がされていないものがほとんどです。

一日も早く危険なブロックが見直されることを祈っています。




2018年6月17日日曜日

進化するエクステリア

こんにちは。古橋です。

新宿パークタワー内にあるリビングデザインセンターOZONEにて現在開催中の

エクステリア大辞典
住み心地を左右する外まわり

という企画展と連動してプロフェッショナルセミナーを担当する事になりました。


主に設計事務所様、工務店様向けのセミナーとなりますが、住宅業界の中で「エクステリア」が注目されている事は嬉しいことです。





OZONE様のセミナーは久し振りですが、以前ザ・シーズンの店舗も入っていたので私にとっては懐かしい場所です。

今回は建築とエクステリアの計画を担当させて頂いた実際のお客様のお話となります。



既にエクステリア業界の皆様にはセミナー等でお聞き頂いている内容ですが、まだ聞いていない方で興味がある方は是非ご参加下さい。
(お申込みの際は古橋から聞いたとお伝え下さい)


■セミナー情報

日時:2018年7月19日 木曜日 17:00~20:30
講師:古橋宜昌
会場:リビングセンターOZONE 5階セミナールーム
定員:60名(先着順)
参加費:CLUB OZONE会員 無料 / 一般2,000円


詳しくはこちらを御覧ください。

https://www.ozone.co.jp/pro/seminar/detail/586