2018年6月21日木曜日

ブロック塾:はじめに

こんにちは。古橋です。

先日このブログで「グロック塀のお勉強」というタイトルで書き込みをしたところ、通常の3倍以上の皆さんに見て頂くことが出来ました。

それだけ今、ブロック塀に対して設計、施工をする人たち以上に一般の方の関心も高くなっている事だと思います。


エクステリアの設計者として、そして学校やセミナーの講師として、今私に何が出来るのかを考えた時、今一度ブロック塀の基本について、直接お会いできない方たちも含めて、正しいブロック塀のルールを分かりやすくお伝えするべきではないかと考えました。

もちろん既に建築基準法をはじめ各団体、協会から様々な指針が出ていますが、専門用語や、法律用語も多く分かりにくい部分もあります。

このブログでは出来るだけ難しい表現は避け、日本一分かりやすいマニュアルを目指します。使用する図も可能な限りiPadを使って手描きでいきます!

何回のシリーズになるか分かりませんが、「ブロック塾」見て頂ければ幸いです。

【はじめに】

まずはじめにお話しておかなくてはいけないのは現在、ブロック塀に関する基準が大きく分けて2つあるという事です。

1つ目は泣く子も黙る「建築基準法」です。これはご存知の通り建築に関わる最低限の基準を定めている法律です。

2つ目は一般にあまり知られていないかもしれませんが社団法人日本建築学会が定めている「コンクリートブロック塀設計規準」です。こちらは、ブロック塀をつくるために特化した規準で、建築基準法より細かくルールが決められています。

ちょっと呼び名が長いので建築基準法を「基準法」、コンクリートブロック塀設計規準を「学会規準」として呼ばせて頂きます。

例えば基準法ではブロック塀は高さ2mまで厚さ10cmで良しとされていますが、学会規準では鉄筋のかぶり(かぶりについては後日解説します)が確保出来ないので12cmを推奨しているように、一般的には学会規準の方が実務レベルに近いと私は思っています。

しかし、問題は控え壁の設置基準(これも後日解説します)が基準法と学会規準で違うので、プロの方でもきちんと説明できないことがあります。

簡単に申し上げると、確認申請や完了検査など役所の検査がある場合は基準法のルールに合わせ、役所の検査等がない場合は学会規準に合わせて設計、施工を行えば良い。というのが私の考えです。

前記した通り、ブロックの厚みに関しては学会規準のほうが厳しい基準ですが、控壁の基準については基準法の方が厳しい内容です。一番間違いないのは両者の基準を比較して、より安全側のルールを採用するというのは言うまでもありません。


このブログではできるだけ両方の基準を比較しながら書いていきますが、判断が難しいケースや、基準に明記されていない事、基準を更に進化させた考え方など、私の個人的な考え方も含まれると思いますので予めご了承下さい。また、内容に不的確な部分がありましたらご指摘頂ければ随時訂正させて頂きます。引き続き宜しくお願い致します。